ザックに荷物を詰め込むことを「パッキング」といいます。
内部にギア、ウェア、食料、水などを理想的に配分していくには、大切なポイントがいくつかあります。
- 歩きやすさを考えた「重量バランス」
- 必要なものがすぐに使える「取り出しやすさ」
- バックパックから荷物をあふれさせない「コンパクトさ」
以下で『ザックのパッキング方法』をご紹介します。
「重量バランス」を考える
ザックと一体になれば、軽く感じる。そのために、大切なのが以下の3つ。
- 左右の重さを均等に。とくにサイドポケットにものを積め込むときは注意が必要。
- 重いものは背中付近(肩の下の辺り)
- 軽いものは外側か下部
「重いものは背中側、軽いものは外側」が基本。荷物はザック内で左右の重さが均等になるようにバランスも心がけ、重いものは背中近く、軽いものは外側か下部に入れます。
こうすると身体とザックの重量バランスが向上し、身体が左右に振られたり、後ろに引っ張られる感覚がなくなって、身体への負担が減ります。
とくに重いものは肩の下の方に配置させるとあまり重さを感じません。人を背負う場合をイメージしてください、背負った人が下がってくると重く感じませんか?
「取り出しやすさ」を考える
パッキングは、取り出しやすさも非常に重要なので、荷物の種類ごとに、まとめて収納してください。非常時や休憩時、そして雨天時。取り出すのに時間がかからないようにしましょう。
主に4分類して積み込みます。
- よく使うもの
- あまり使わないもの
- 重いもの
- 軽いもの
【よく使うもの】は、取り出しやすい「雨ぶた」「ザックの一番上」「フロント・サイドポケット」に収納します。レインウェアや行動食など、必要時にすぐに取り出したいものを入れておきます。同じジャンルのものをまとめて収納すると、仕舞った場所が忘れにくいですよ♪
【あまり使わないもの】は、ザックの一番底に。ザックの底は一番圧力がかかるので、衣類・シュラフ(寝袋)などの柔らかいものを。
【重いもの】は、荷重が背中全体にかかるように背中の上方と下方には比較的重いものを配する。背中の上のほうには食料やテント、ストーブ、ガスカートリッジなど重い荷物を集中して入れていく。この部分がザックの重心になります。背中にあたる部分には、角ばったものは入れないこと。
【軽いもの】は、ザックの外側が重いと、身体が後ろに引っ張られるので、この部分には軽いものを収納。防寒具やかさばるマットなどが適しています。
各部の収納ポイント
【雨ぶた・ヒップハーネスのポケット】
一番手が伸ばしやすく、行動中に最もよく使う収納スペースが雨ぶた・ヒップハーネスのポケット。ここには、行動中にたびたび使用するものを入れたい。
地図やコンパス、休憩時に食べる食料や飲料水、緊急用のヘッドランプ、携帯電話やノートなどの小物類などを入れる。休憩ごとに口にする行動食や地図は、ヒップハーネスのポケットがオススメ!
【ザックの一番上】
突然使う機会が訪れるレインウェア・ザックカバーやトイレットペーパーを。
【フロントやサイドの大きなポケット】
フロントやサイドに大きなポケットがあれば、レインウェアやスパッツなどの雨対策グッズを集中して収納するのも、1つの方法です。ジャンルごとに収納を。
【サイドにも荷物の出し入れ用ファスナーがある場合】
上からだけでなく、サイドにも「荷物の出し入れ用ファスナー」が付いたザックならば、この辺りにも取り出しやすい場所に。応急処理具を入れると、緊急時でもすぐに取り出せます。
【壊れやすいもの】
電化製品などの壊れやすいものは、ハードケースに入れたり、衣類などの柔らかいものでくるんで保護する。
「コンパクトさ」を考える
コンパクトにするために、ウェアのようにかさばるものは、できるだけ圧縮してください。コンプレッション機能がついたスタッフバッグなども販売されていますので、利用することをオススメします。
食料の不必要なパッケージは、あらかじめ捨てておきます。これは発生するゴミの削減にもつながります。
ザック内部にはすき間が生まれないように、力いっぱい押し込みます。コンパクトなパッキングを実現するには、荷物をできるだけ、すき間なく詰めていくこと。
壊れやすいサングラスや電化製品などはハードケースを利用し、チューブ入りの製品はガッチリとフタを閉めておいてください。
内部が2つに分かれた2気室のザックは、必要がなければその仕切りを外してしまい、1つの荷室として使ったほうがスペースに無駄がなくなります。
オプションアクセサリーの活用
最近のザックでは荷物を小分けできるポケットなどが重視されています。ですがザックをより自分好みにするなら、別売りの「オプションアクセサリー」を使うことをオススメ。
メーカー各社から、外付けできる「オプションアクセサリー」が販売されています。取り外せばポーチになるものやボトル専用なども市販されています。地図やカメラ、行動食を入れるのに、とても便利♪
でも付け過ぎると行動中に邪魔になるので、ご注意を。