『膝痛』は、登山者に多い膝の持病の一つ。
以下で『登山中の膝痛対策』についてご紹介します。
膝痛とは
膝の各部が損傷または疲労によっておこる「膝の痛み」のこと。
下り時は特に膝に体重が乗ってしまうので、激痛が走ります。膝を酷使する登山者にとっては、宿命のようなもの。読みは「しっつう」
膝は、じん帯・筋肉・半月板などで構成されていて、すねの骨と太ももの骨を結んでいる重要な場所。体のバランスにおいて重要な役割があります。
登山中に急に痛くなるのは、じん帯や半月板が傷ついた場合が多く、痛みは、膝の外側&内側、皿の下で起こります。
高齢者などに多いのが、長年の酷使でクッションの半月板がすり減り、骨がぶつかりあうようになって痛みが起こる『変形性膝関節症』。とくに女性に多い症状です。
膝のじん帯は、膝の動きを調整しています。膝に無理な力が加わると、じん帯を痛めてしまうことに。自然に治ることもあるので、サポーターで様子をみるのも良いです。1〜2週間たっても回復しないときは、整形外科へ。
ちなみに”じん帯”が切れた場合は再建手術が必要。元に戻るまで半年から1年近くかかります。
登山中の膝痛の原因
膝痛には、いろいろな原因がありますが、登山中の原因には、次のようなものがあります。
- 筋力不足
- 激しいアップダウンが続く登山道
- 履くシューズが合っていない
- 膝の使い過ぎに
山行中、とくに痛めやすいのが、足腰の筋肉が疲労を受けている下山時。さらに、下りは、体重が膝に乗りやすいため、衝撃がかかりやすく、膝を傷めてしまいます。
下山時は、注意が必要。
膝痛の予防対策
膝痛の予防対策は、次のようなものです。
- 筋肉トレーニング
- トレッキングポール
- テーピングテープを貼る
- サポートタイツと膝のサポーター
- サプリメントの補給
膝痛の予防は日頃の心がけが重要。膝にかかる荷重を少しでも減らすために、体重を適正に保つ努力も必要。
歩き始める前と一日の行程を終えた後に、ストレッチを行ない、筋肉をほぐすことも大切です。
筋肉トレーニング
まず膝を傷めないためには、脚力を鍛えること。自分の体重と荷物、これらを支えることのできる筋力があれば、ヒザへの負担は減ります。足の筋肉がないと負担が膝に直撃します。とくに鍛えたいのは、太ももの前面の『大腿四頭筋』。
トレーニング方法として、筋トレや水泳、自転車こぎなどが適しています。膝に荷重がかかるランニングなどは、控えてください。
筋トレはじっくり取り組むと効果が期待できます。短期間のパワーアップを目指さずに、じっくりと。水泳では膝に負担がかかる平泳ぎは避けてください。また痛みがある時にトレーニングはやめましょう。
トレッキングポールで脚にかかる負担が軽減
トレッキングポールを使えば、脚にかかる負担が両腕などに分散されるので、膝を壊しにくくなります。現在、膝痛に苦しんでいる人にもオススメしたい山道具です。
1本の場合、痛む脚と反対側の手に持ってください。膝痛の方には、ダブルストック(2本)の方が一層効果的です。
テーピングテープを貼る
手軽に膝の”じん帯”にかかる負担を減らすには、テーピングテープがオススメ。じん帯の伸び切って痛めるリスクを減らすことができます。
サポートタイツと膝のサポーター
サポートタイツと膝のサポーターの併用もオススメ。
ひざ痛には冷えは禁物なので、サポーターで保温することも大切です。反対に、ひどい痛みがあった場合は、冷却しなくてはなりません。痛みが引いたら今度は温めること。
サプリメントの補給
サプリメントは賛否両論ですが、グルコサミンやコンドロイチンが効果的な場合があります。
登山中の膝痛の対処法
山行中にヒザに違和感や痛みを感じたら、ペースを落としたり、エスケープルートを選択し山行距離を短くするなどしてください。また下りは大またで歩くと負担がかかるので、小またでゆっくりと歩きましょう。
ひざ痛を感じた場合は、とにかく無理をしないことです。
テーピングを貼る
登山中の膝痛の対処法は『テーピング』がメインですが、ザックの中に膝用のサポーターを入れておくと、いざというときに役立ちます。
テーピングテープは、膝をはさむように「Y」字に貼ってください。
膝用サポーターやトレッキングポールやテーピング、痛み止めスプレーを使うと膝の負担が軽減されるので、オススメです。
骨折の可能性も
膝痛の原因が”じん帯”を痛めるにとどまらず、骨折の場合もあります。そのときは救助や搬送が必要になります。
膝用サポーター
ひざ痛を抱えている人は、少しでも痛みを軽減するために、サポーターの着用をオススメします。
サポーターは筋肉を支えヒザの血行をよくし、ヒザへの負担を減らしてくれます。ヒザ部分だけをおおうサポーターだけでなく、タイツタイプになっているものもあります。急に痛くなった場合は、テーピングをするのもいいと思います。
膝は特に下山時に出ることが多いので、下山時のみ使用するのもいいと思います。
膝用サポーターは登山専門店で販売していますが、薬局でも使いやすいものが売られています。
ハイキングでオススメの膝用サポーターメーカー
- ZAMST(ザムスト)
- mcdavid(マクダビッド)