道迷い

道に迷うと不安にかられ、いたずらに歩きまわってしまうといわれています。

心の片隅で「これでいいのか」、という疑問が少しでも生じたら立ち止まって、地図やコンパスを出して考えてみてください。

「なんとかなるさ」で「なんとかなる」なら、遭難は起こりません。

道に迷わないためにも、登り始めから慎重に歩くことを心がけてください。

まずは落ち着くことが大切!

不安な心理状態から抜け出すため、道に迷ったと気づいたら、落ち着くことが大切です。

行動食を食べたりして、一度、不安な心を静めましょう。

そして、今来た道を確認してから忠実に引き返します。引き返すときは、くれぐれも脇道に入らないように自分の足跡を用心深く探りながら歩いてください。そして、正規のルートだと自信を持てるところまで戻り、地図やコンパスで位置を確認してから再出発。場合によっては、下山する勇気も必要です。

谷や沢には向かわない!

絶対に守りたいのは「道に迷ったら谷に下るな」の格言通り、谷や沢筋に向かわないことです。

谷に向かうと早く下山できると思いがちですが、それは間違いで、沢には滝やゴルジュなどの危険箇所が連続しています。なるべく尾根に向かって歩くようにした方がいいです。尾根は見通しもきくし、登山道を発見しやすくなりますので。

霧が出たら、待機!

一方、霧で見通しがきかず、動けなくなったときは、濡れないように雨具を着込んでその場で待機しているのが賢明です。

意外と早く霧がはれるときもあるので、そのときに進路を見極めて進みます。もし、晴れないときは、歩きまわらずにツエルトを出してビバークすることをおすすめします。視界がきかないところを強引に進んで崖から転落しないとも限りません。

道迷いの対策

道迷いの対策として、「迷わないための知識」と「迷ってからの対応」があります。

迷わないための知識

迷わないためには地図をよく見ることが基本ですが、登山では、これから進む山道を2手,3手先を読むのが理想です。

  • 歩き始めたら、時々、地図とコンパスで想定した通りに進行しているかどうかを立ち止まって確認しましょう。
  • コンパスは、直ぐに出せる場所に入れておく。
  • 登山道の分岐の通過には十分な注意が必要。分岐点には標識がない場合もあります。あっても古くてよく文字が見えなかったり、朽ちていたりするので、自分の判断を大切にしてください。
  • 登ることに熱中して振り返らない人や、話に夢中で分岐でも気づかずに通り過ぎる人が多いので、当てはまる人は注意する。
  • 地図をスマートフォンで代用してはいけない。
  • 携帯にGPSアプリを入れておく。

迷ってからの対応

  • 迷ったと思ったら、位置が分かる場所や見覚えのある場所、標識のある地点に戻ることです。位置が分かれば進行方向も分かるし、不安であれば引き返すこともできます。むやみに進めば戻る距離も長くなります。
  • 完全に迷った場合は疲労しないように歩き回らずに、日の明るいうちにビバークの決断をする。決断したらに周囲の状況を確認し、適地を選んで、気持ちに余裕を持ってビバークすることが大事です。
  • ビバークの翌朝は早めに行動して下山するか、無理な場合は救助を待つ。
  • 余裕を持って対応できるかどうかは、経験や携行品の準備とも関わってきます。今持っている装備や残っている食べ物には、何があるのかをしっかり確認してください。
  • 登るよりは下るほうが体力的に楽なため、ヤブや樹林が少ない谷や沢を下ってしまうことがあります。沢は濡れた露岩が多く、滑りやすいです。岩場を下る行為は大変に危険で、岩登りの心得があってもしてはなりません。