一番最後に着用し、雨風を防ぐのが「アウターレイヤー(アウター)」です。
以下で『登山のアウターレイヤー』をご紹介します。
アウターレイヤーとは
アウターレイヤー(アウター)とは、最上層に着るウェアのこと。雨具であるレインウェアも、このアウターレイヤーに含まれます。
アウターレイヤーの役割
アウターレイヤーの主な役割は、風をさえぎり、雨の侵入を抑える、「防風」と「防水」。また、ミドルレイヤーから引き渡された水蒸気などの蒸れ(汗)を外気へ逃す「透湿性」も不可欠です。
- 防風
- 防水
- 透湿
アウターレイヤーは、雨や風を防ぐと同時に、歩き続けることで生まれるウェア内の熱(ムレ)を外に逃がします。
この役割があるため、アウターレイヤーの多くは、「ゴアテックス」をはじめとした防水透湿性素材が使われています。少々、値は張るが、登山者を守る大事なウェアなだけに信頼できるものを選んでください。
アウターレイヤーの種類
アウターレイヤー(アウター)は、機能性や軽量性の違いによって、いろんな種類が販売されています。
主に次のようなものがアウターレイヤーとして使われます。
- レインウェア
- ハードシェル
- ウインドシェル
- ソフトシェル
- インシュレーション(ダウンなど)
近年では、機能性の高いウェア素材の開発によって、アウターレイヤーとミドルレイヤーの住み分けが難しくなっています。
レインウェア
雨具であるレインウェアは、アウターの代表的な存在。山岳メーカーが販売するレインウェアは、性能が高くので、雨の時だけでなく、日常の防寒着としても使えます。
ハードシェル
防水性、防風性、透湿性に優れ、冬山用アウターレイヤーの代表格。イメージとしては、レインウェアをより強固にしたものが「ハードシェル」です。レインウェアの機能も備えているため、ハードシェルを持っていく場合、レインウェアは不要になります。
高性能素材が使用されるため、価格は高め。
ウインドシェル
ウインドシェルとは、防風性に特化した軽量ウェア。軽いため、携行しやすく、持っていて損はなし。
裏地の工夫によって、保温性を持つタイプや薄い生地一枚のみで保温性を持たないタイプに分かれます。いずれにしても、風を遮断してくれるだけで体感温度は劇的に向上します。
ソフトシェル
ソフトシェルとは、ハードシェルから、防水性の機能を落とし、ストレッチ(伸縮)性を向上させたの。撥水性が高いため、小雨程度であれば、レインウェア代わりに問題なく使用できます。
ストレッチ性があり着心地がよく、体の動きがスムーズに動くため、人気が高いウェアです。
インシュレーション
インシュレーション(インサレーション)とは、「断熱材」のことで、中綿を封入した防寒用ウェア全般のこと。
インシュレーションは以前、冬山でよく使われていましたが、最近ではハードシェルにその立場を奪われています。そのためアウターレイヤーによる使用よりも、薄手のものをミドルレイヤーに使うことが多くなっています。
断熱素材としては、「ダウン(羽毛)」と「化学繊維」の2種に分けられます。