登山用の靴下

靴下(ソックス)は、登山靴の中の湿気を吸ってくれるだけでなく、ヒザにかかる負担を減らすクッションの役割もあります。

以下で『登山用の靴下』についてご紹介します。

登山において靴下とは

登山において靴下(ソックス)とは、せまい登山靴の中で登山者を守ってくれている「縁の下の力持ち」であり、非常に優秀な万能ウェア

靴下は狭いブーツの内側で激しく圧迫され、足の皮膚とすれあいます。上質で生地の量に過不足がないものを選びたい。3足1000円の安い靴下を選んではいけません!

登山における「靴下の役割」

登山における「靴下の役割」は、以下の通りです。

  • 足の皮膚の保護(マメ・靴ズレなどの防止)
  • 足裏のショック吸収
  • 靴内の汗の吸汗発散
  • 保温
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足の皮膚の保護

第一の靴下の役割は、靴ズレを防止し、マメを予防すること

登山靴の中は密閉されているので、靴内の湿度は最高80〜90%にも上がり、さらに高温にもなります。こういった環境で、皮膚は常に”ふやけた”状態となり、少しの摩擦でも簡単に傷ついてしまいます。

登山用靴下は、「足の皮膚」を保護するために網目がしっかり詰まっていて、靴との摩擦を均一化してくれます。

足裏のショック吸収

第二の靴下の役割は、足裏にクッションを与えて衝撃を吸収・緩和すること

「赤ちゃんの足裏」はフワフワしていて、まるでスポンジの様。そして大人になると、足裏の皮膚は体のなかでもっとも硬くなり、クッション性は損なわれます。これは、足裏で全体重を支え続けてきた結果です。

とくに中高年ハイカーは、加齢により足裏が硬くなり、クッション効果がさらに失われています。歩行時の衝撃は、ヒザや腰の故障につながりますので、高密度パッドが配されたクッション性の高い靴下を選らぶことをオススメします。

靴内の汗の吸汗発散

靴下の第三の役割は、足の汗を吸い上げ、外に発散させること

人間は、1日に両足でコップ1杯分の汗をかくといわれています。登山となると汗の量は、その比ではありません。この汗を吸収して外へと放出するのも靴下の大きな役割です。

一般的には、吸収した汗の発散は、靴下の素材の機能によります。さらに登山用靴下の場合、細かい繊維が密に編み込まれているので、「ウィック効果」が発生し、汗を上に吸い上げてくれます。

【ウィック効果とは?】

ウィック効果とは、ロウソクなどの芯が水分を吸い上げる効果のことで、ウィックとは「芯」のこと。細かい繊維で密に編みこまれた「芯」は、毛細管作用を発生させ、水分を吸い上げる性質があります。

さらに靴下の丈を長くして外気に触れる表面積を広げれば、ウィック効果も発散作用もより大きくなります。

【注意!】

一般的な「綿(コットン)の靴下」は吸汗性では優れています。でも、汗を外に放出する機能はなく、靴下に汗をため込んでしまいます。

足の保温

靴下の第四の役割は、足回りの保温です。

足首は、太い血管が肌の表面を流れているので、血液を通して体温が逃げやすい場所足湯で体まで温かくなるのは、足にある多くの血管(血液)が温められるからです。

そのため、厚みがあって温かな靴下の保温効果は、薄い防寒着ほどの効果が見込めます。

濡れたり、湿ったりした際にすぐに履き替えられるよう、ザックの中には着替え用の乾いた靴下を入れておきましょう。

靴下の種類

靴下(ソックス)には、厚手タイプ、中厚手タイプ、薄手タイプとあります。また機能性タイツと同様にコンプレッション効果のあるサポートソックスも販売されています。

  • 厚手タイプ
  • 中厚手タイプ
  • 薄手タイプ
  • サポートソックス

日帰りハイキングでは、汎用性が高く、夏場から寒い時期まで使える中厚手タイプがオススメです。

最近では、機能性の向上がはかられていて、サポートサックスとまではいかなくても、部分的に伸縮性を変えて履き心地を重視したものが増えています。

高性能な靴下も増えています

登山用靴下には、高性能をうたった商品もあります。スポーツ工学や解剖学の考えを取りいれ、衝撃が高い場所に高密度パッドを入れたり、逆に衝撃が弱い場所にはフィット感を高めるために低密度で織り込まれているなど、これまで「分厚ければよい」という考えだった登山用靴下に新風を吹き込みました。

また通気性を高めた靴下サポートソックス、人間の骨格を考えた「左右別形状」「足首直角ソックス」「5本指ソックス」など、続々と新しいコンセプトの靴下が誕生しています。

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登山用靴下の素材

素材としては、ウールや化学繊維などがあります。

  • ウール(メリノウール)
  • 化学繊維
  • ウールと化学繊維の混紡
  • 綿(コットン)

速乾性を求める人は化学繊維。でも滑りやすい素材が多い為、下山時などに”つま先”を痛める可能性も。

綿は、他のウェアと同様にオススメできません。吸水性は高いのですが、発散性が低く乾きにくいからです。

人気は、やっぱり「ウール素材」

ウールとは、羊毛のこと。とくにメリノウールに人気があります。

ウールには、次のような利点があります。

  • 弾力性
  • 吸湿発散性
  • 抗菌防臭性
  • デザイン性

ウールは、吸湿性に優れているうえ、弾力性があって回復力に優れているので、「濡れ」を中に閉じ込めてくれます。そのため比較的暖かく、あまりヒンヤリ感がない。安心感を求める人にオススメ。

またウールには防臭効果があるのであまり臭わないのも大きな特徴。化学繊維のものは、防臭加工を施しているものもありますが、そうでないものは、一般的にかなりニオイます。

また、染色性が高く、キレイに染まるので、カラフルな柄モノの製造も可能。山でもオシャレをしたい「山ガール」に人気があります。

機能性タイツとの組み合わせには注意

機能性タイツを履く場合、靴下の選択には充分注意してください。

併用の際の問題点は、2点。

  • 機能性タイツの着圧を変えてしまう
  • 機能性タイツのテーピング効果が機能しなくなる

靴下のタイプによっては、下に履く「コンプレッションタイツの着圧」を変えてしまったり、タイツのテーピング効果によるサポート機能を発揮できず、正しいサポート効果が得られなくなってしまうからです。

むしろ相性のよくない組み合わせだと、せっかくの機能系タイツが悪影響を及ぼす可能性すらあります。

靴下選びのポイントは、長さ(丈)

機能性タイツとの組み合わせで理想的な靴下は、薄手〜中厚のショートタイプのソックスです。

また、靴下の長さは、登山靴の大きさ(高さ)に合わせてください。ハイカットブーツであれば、その登山靴の高さよりも長い靴下を。

さらに、機能性タイツとロングタイプの「コンプレッション機能がついた靴下」の併用もご法度です。でも、ショートタイプのものであれば生地の重なりがなく、むしろ効果的です!