登山のマムシ対策

は、ハチに次いで山で出会いやすい危険な生物です。ちなみに、日本に棲む”すべての蛇”に毒があるわけではなく、日本に生息する毒蛇は、『マムシ』と『ハブ』、そして『ヤマカガシ』の3種。

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以下で、『登山のマムシ対策』を書いています。

マムシについて

日本に出没する毒蛇の代表が『マムシ』です。

マムシの特徴は、次のとおり。

マムシの特徴
  • 身体が太短い(全長45-80cmと短く、胴が太い)
  • 頭が三角形
  • 体色が淡褐色で、俗に「銭型とも呼ばれる楕円形の斑紋」がはっきりと入っている
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生息場所

マムシは、平地から山地の森林草むら湿地帯に生息しています。特に大好物のカエルが多く生息する、水場周辺に多く出没し、山間部の小さな川周辺は、要注意!

食性

食性は、肉食性で、小型哺乳類(ネズミなど)、小型爬虫類、両生類(カエルなど)等を食べる。

習性

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性格は、臆病で、よほど接近しすぎない限りは、マムシの方から人を攻撃することはありません。

また、他の蛇と同様に、危険を感じると尾を寝かせた状態で細かく振るわせ、地面などを叩いて音を出して威嚇します。

登山道でマムシに出会って、威嚇を受けても、それ以上近寄らずに無視して遠巻きに通り過ぎれば、ほとんど害はありません。

毒性

ニホンマムシの毒は、出血毒が主成分で、神経毒も含まれます。

マムシにかまれると死亡する!」というイメージがありますが、実際は違い、年間約3,000人が被害を受け、死者は5 – 10名程度で、死亡率は高くありません

死亡率が低い理由は

  • 小型であるため毒液量が少ないこと
  • 基本的に出血毒であり神経毒が少ないこと
  • 効果が局所的に留まり身体全体を冒さないこと

でも、死亡の可能性があるため、充分な注意が必要です!

頭が三角形のヘビは、毒蛇!?

頭が三角形のヘビは毒蛇」といわれます。確かに『ハブ』や『マムシ』は、頭が三角形のような形。しかし、日本に生息する毒蛇の『ヤマカガシ』は、頭は三角形ではありません!

注意すべきは、ヤマカガシ。ヤマカガシは、頭が三角ではないので、「赤みがある体側面」など模様で判断してください。

でも、日本においては、「頭が三角のヘビは毒蛇」という認識で問題ないと思います。

そして、山で蛇に出会って、瞬時に蛇の種類を判別するのは難しいので、「蛇を見かけたら近づかない」を原則に!

ヤマカガシの特徴

yamaka2ヤマカガシは、『全長60 – 120cm、頭胴長は55 – 120cm』。体色は、基本『身体の上半分ほどの体側面に、赤みを帯びた蛇腹模様』で比較的目立ちます。

でも地域変異があり、関西地方では『体側面の斑紋が不明瞭』。近畿地方西部から中国地方では『青色型』もみられます。

マムシの被害にあわないためには…

一般登山道を歩いていれば、山歩きで蛇に出会うことは、あまりありません。遭遇しても、アオダイショウなどで、猛毒を持つマムシを見ることはマレ。

また山中では蛇を捕獲しようとしたり、イタズラをしなければ、咬まれることは、あまりありません。マムシの被害にあわないためにも、マムシを相手にしない、マムシに近づかないを徹底してください。
実際、マムシの被害の多くは、登山よりも山菜&キノコ採りのケースです。

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マムシ対策のポイント

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マムシ対策のポイントは、マムシが出没しやすい場所に近づかないことです。また、「マムシ注意」の看板を見かけたら、しっかりと出没の可能性を意識すること。

マムシが出没する場所は、次の場所。

  • 草むらなどのヤブ
  • 登山道を外れた「森の中」
  • 湿地帯や川付近などの水場

湿気の多い草むらや水場付近などは、マムシの生息地。そのような場所は、視界も悪いので、マムシに気づかずに近づき、咬まれることが多い場所です。注意が必要!

草むらの中に落し物を拾うため、また、登山コースにヤブコギ・ルートがあるために入っていかなければならない場合は、地面を叩いたりして、自分の存在をマムシに知らせてください。人の存在に気づけば、マムシから逃げていくので。

蛇は、耳が退化しているので、地面の振動で生物を感知しているんですよね。

また、マムシは熱に反応して攻撃してくるので、真夏であっても、肌を露出して草むらに入るのは避けてください。

ヤブコギが必要なら、ゲイターを着用しよう!

ヤブコギなどで仕方なく草むらの中に入る場合、ゲイター(スパッツ)を着用すると効果的!

ゲイターで足下の保護、またズボンの中に入ってくることを未然に防ぐことができます。

また、手袋を着用し、地面を木の棒などで探りながら歩くようにしてください。

『ゲイター(スパッツ)』の詳細はこちら

トイレの際は、要注意!

危険なのは、登山道から離れてする『トイレ』。

登山でトイレをする場合、人目を避けて、蛇がひそんでいる森や草むらの中に入ると思います。

そして、用をたすために、腰を下ろすので、咬まれる可能性が”グッ”と上がります!

トイレにいく際も、ゲイターを着用したり、事前に蛇がいないことをチェックしてから、用をたすようにしてください。

マムシに噛まれたら

マムシの毒では、体力が弱っている老人や身体の小さな子供を除いて、死亡することはないといわれています。呼吸が止まるようなことはないので、まずは、慌てないこと

専門家のアドバイスにおいても、咬まれた場合は毒の回りを遅くするため、慌てずにゆっくりと下山し、病院に行くのがベストということです。

マムシにかまれたからといって、必ず毒を体内に注入されるとは、限りません。

マムシにかまれた場合の症状

マムシにかまれると、電撃性の痛みが走り、2個のキバ痕が残ります。

そして20〜30分後激しい痛み・出血・患部のハレがおきます。1〜2時間後には、皮下出血・発熱・めまい・意識混濁など。

もし1時間以上経過しても、痛み・患部のハレがおきない場合は、毒が注入されなかった可能性があります。

毒蛇に噛まれたときの対処法

映画などで「毒蛇にかまれて、傷口を切開して毒液を吸い出すシーン」がありますが、これらは、ほとんど意味がありません。逆に、口内に傷があれば毒を取り込む可能性があり危険です。

毒蛇に噛まれたら、傷口を水で洗い流すことです。そして炎症を抑える意味でも、冷湿布をしてできるだけ、安静にしてください。下山後は、早急に”マムシの血清がある”医療機関へ。

対処の手順
  1. かまれた場所を水で洗い流し、吸引器具※1があれば、可能な限り毒素を吸引する。(口を使っての吸い出しはNG
  2. 抗生物質入りの軟膏を塗る
  3. 傷口より心臓に近い側を圧迫する(止血ではないので強く縛りすぎないこと)
  4. 下山して医療機関の治療を受ける(症状によっては、山岳救助要請も)

※1:吸引器具とは、ポイズンリムーバーなど。安物は機能性に問題があるので注意してください。


『ポイズンリムーバー』の詳細はこちら


マムシは、臆病な性格をしているので、理由なく襲いかかってくることはありません。マムシにかまれるのは、注意を欠き、誤って近づいてしまった場合です。

『マムシが潜んでいる場所を十分に理解し、近づかないこと』が1番のマムシ対策。

また、不幸にもマムシなどの毒蛇にかまれた場合は、まずしっかりと患部を水で洗ってください。水は、飲料以外にも、このような使い道があります。登山には、多めに持っていきましょう。

そして、体を激しく動かすと毒の回りが早くなるので、走ったりせず、できるだけ安静状態で下山してください。

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