登山の凍傷対策

雪山に登る人にとって、逃れられない病気が『凍傷』です。重症の場合は皮膚などの組織が壊死(えし)しているので、切断することになります。

以下で『登山の凍傷対策』をご紹介します。

凍傷とは

凍傷とは、寒さで体の組織が凍ってしまった状態のこと。

血液の循環の悪い手足の指先鼻先頬(ほお)などの体の末端に多く起こります。そして傷害の程度が皮膚と皮下組織までにとどまるものと、筋肉や骨までの深い組織まで達する重篤なものがあります。

凍傷は、症状によって4段階に分類されます。

外見と症状 感覚
1度 蒼白、紅斑、浮腫 冷感、かゆい痛み
2度 紫紅色、水泡 ズキズキした痛み
3度 皮膚の壊死 知覚マヒ
4度 筋肉・骨の壊死 知覚マヒ

凍傷は、3度以上になると切断手術が必要な場合があります。凍傷に受傷後、約3週間ほどたつと患部の壊死の境界がわかります。

【壊死(えし)とは】

体の一部分の細胞だけが死滅している状態。完全に壊死すると凍傷部は腐っていくため、切断手術が必要となります。

凍傷被害は、雪山で多いのですが、油断しやすい10月あたりからも被害報告が多い。凍傷になると、その後、同じ部位が凍傷になりやすくなります。そして糖尿病患者は凍傷を起こしやすいので注意してください。

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凍傷の予防対策

凍傷の予防対策は、次のようなものがあります。『血行促進』がキーワードです!

  • 保温
  • 食べ物と飲み物

まずは低気温の中で、低体温症にならないようにしてください。低体温症になってしまうと、凍傷どころではなくなってしまいます。

凍傷にかかりやすい部分を保温する

凍傷にかかやすい部分は血液循環が悪い体の先端部分で、手足の先、耳、鼻、頬(ほお)など。しっかりと保温に努めましょう。

体温維持に重要な役割をになうのが「血液」。そのため血行が悪くなると凍傷にかかりやすくなります。

各部の血行を促進させるため、手の甲に携帯用カイロを当てて指先の血管を温めたり、手袋や靴ヒモなどをきつく締めすぎて血管を圧迫させないことが大切。

また『濡れ』は体温を奪うので、手袋や靴下が濡れてしまったら履き替えてください。

金属は熱伝導率が高い

ピッケルなどの金属を持つ手にも要注意。金属は熱伝導率が高いため、接触を続けると体温をすぐに奪ってしまいます。意識的に指先を動かすなどして、血行に気を配ってください。

定期的に動かすことを意識するだけで、凍傷のリスクを低減させることができます。このことを忘れないでください。

食べ物と飲み物を十分にとる

食料を十分にとることも大切です。とくにエネルギーに変換されやすい炭水化物はしっかりと食べてください。

我慢してほしいのが、「喫煙」と「飲酒」。喫煙は血行を悪くし、飲酒は一時的に血管を広げて体温を下げてしまいます。

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冬山に持っていきたいサプリと薬

指先などの末梢血管まで血液循環を良くするビタミンEのサプリメントや漢方薬の『当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)』などがオススメ。日頃「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」という薬名をあまり聞きませんが、冬山においてはかなり有名な漢方薬です。


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凍傷の対処法

凍傷の処置として大切なのは、できりだけ早く対処することです。

  • 患部を締めつけているものを取り除く
  • お湯などで温める
  • 温湿布をしておく

まず、靴ヒモや手袋など締め付けているものを取り除き、お湯をわかして、40℃〜42℃のお湯で20分以上患部を温めます。その後は、ガーゼやタオルで温湿布しておきましょう。

【注意!】

凍傷の症状が悪化してから、手をこすり合わせたり、マッサージするのは体組織を傷める恐れがあるのでやめましょう。

また火にあたるのも「皮膚の感覚」が鈍っているので、ヤケドの危険があります。仕方なく温める場合も、十分に注意してください。もしヤケドをして水泡ができてしまったら、感染を起こしやすいので破らないように。

下山した後は医療機関に向かい、適切な処置をしてもらいましょう。